米独立記念日の式典に出席したメラニア夫人(7月4日、写真:AP/アフロ)

民主党:変革派連合vs共和党:旧守派連合

 新型コロナウイルス禍が米国のポリティカル・カルチャーを激変させた。

 11月の米大統領選まで80日を切り、民主党に次いで共和党も史上初のバーチャル党大会で大統領候補を正式に指名する。

 かつては各州から集まる代議員たちが華やかな服装に奇抜なストローハットをかぶり、プラカードを手に大騒ぎしてきた党大会は今年は姿を消した。

 会場は一応選ばれたが、ここには党の幹部や各州の大ボスが集まっただけで、党員は皆オンラインで参加。

 数日間にわたった党大会は名うての映像プロデューサーによるリアリティ・ショーに過ぎなかった。大歓声や拍手もない党大会はまさにバーチャルの世界に終始した。

 民主党はジミー・カーター、ビル・クリントン、バラク・オバマ氏ら歴代大統領をはじめ著名政治家が次々と登場し、異口同音にドナルド・トランプ大統領を厳しく批判した。

 共和党員のコリン・パウエル元国務長官らも登場し、ジョー・バイデン民主党大統領候補支持を表明した。

 ニューヨーク・タイムズはじめ米主流主要メディアは女性、黒人、ラティーノ、アジア系、先住民、同性愛者らが次々と登場する民主党大会を称して、「民主党は多様化する今のアメリカを象徴する政党だ」と評価した。

 ベテラン政治ジャーリスト、ロナルド・ブラウンスタイン氏はこう分析した。

「民主党が『大卒、専門職、文化的都会派、非キリスト教の多民族・多人種』による『変革派連合』(Coalition of transformation)であることが改めて立証された」

「この連合には、現状を打破し、変革を求める若者、少数民族、無宗教の多民族、大卒の中高年白人が加わっている」

「これに対し共和党は『高卒未満、ブルーカラー、文化的非都会派(地方居住者)、エバンジェリカルズ(キリスト教原理主義者)、白人至上主義者』による『旧守派連合』(Coalition of restoration)であることが鮮明になった」

「彼らは白人特権の継続、有色人種移民阻止、同性愛者排斥、中絶反対をスローガンにしている」

https://www.realclearpolitics.com/2020/08/19/democratic_convention_is_a_reality_check_for_trump_520772.html