こうした体制整備を行ったうえで、同部の李浩鉉(イ・ホヒョン)貿易政策官は5月12日の会見で、日本は韓国に対する3品目の輸出規制とホワイト国除外に関する立場を今月末までに明らかにすべきと主張した。

 韓国政府は、日本の輸入規制が施行された後、「これは日本による元徴用工問題に対する報復だ」として反発し、韓国として日本への輸出規制、WTOへの提訴といった報復措置を取るとともに、日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)廃棄の動きを見せてきた。なお、GSOMIA廃棄については米国介入により条件付きで期限を延長することになった。

 その後、日韓はGSOMIAの扱いをめぐる協議の中で、輸出管理に関する対話を行うことになった。当初韓国側は「日本の輸出規制強化撤回に関する協議だ」と主張し、日本側は「貿易管理に関する政策対話だ」と主張してかみ合わなかった。しかし、韓国側は日本側に規制強化撤回を促すため貿易管理体制の整備を行った。

 韓国は、これまで日韓の交渉では自国の国民感情を背景に、日本側に譲歩を迫ることがほとんどで、韓国側が客観的に日韓関係の相互利益に沿った対応をしたことは極めて珍しかった。しかし、この輸出規制問題は歴史問題と異なり、国民感情を刺激する問題ではなく、ビジネスライクに現実的な対応をしたのだろう。その点では、韓国側の対応と努力は評価してもいいのだろう。

日本側の規制強化撤廃を求めた「最後通牒」

 しかし、日本側から色よい返事が得られないと悟ると、韓国側は最後通牒のように今月末までの規制緩和を求めてきた。その理由として、次の2点が考えられる。

 第一に、韓国が条件付きでGSOMIA延長を決めたのが昨年11月であり、それから6か月経つ。この時点で、日本が規制強化を撤回する可能性があるか最終的に打診する必要があると考えた可能性がある。

 韓国政府はこれまで水面下で対話を進めてきたが、日本側に誠意は見えないと受け止めている。GSOMIAの終了の判断をこれ以上延ばしても成果はないと考えたのだろう。