5月7日、韓国・大邱で記者会見を開き、支援団体を批判した元慰安婦の李容洙さん(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使)

 元慰安婦の問題に中心的役割を果たしてきた活動家の李容洙(イ・ヨンス)さんが、7日記者会見を行い、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)など慰安婦関連団体を相手に批判を繰り広げたことで韓国中が騒然となっている。韓国の主要紙は連日、尹美香(ユン・ミヒャン)元常駐代表側との陰湿なやり取りを報じている。

「利用されるだけ利用されてきた」

 李さんの批判を総合すると、「元挺対協の尹美香(ユン・ミヒャン)代表は、政治的、個人的目的のために自分たちを利用してきた」ということに尽きる。発言要旨は次の通りだ。

「学生たちが(慰安婦のために)出した義援金はどこに使われているのかもわからない。現金が入ってくることを知ることはできないが、義援金や基金などが集まれば被害者に使うべきなのに、被害者に使ったことはない」

「30年間にわたり騙されるだけ騙され、利用されるだけ利用された」

「来週から水曜集会(日本大使館前で毎週水曜日に行われている、慰安婦問題に対する日本政府の対応を糾弾する集会)に参加しない。集会は学生たちに苦労させ、わずかばかりの金だけをなくさせ、まともな教育にもならない」

「尹美香代表は私欲のため的外れなところに行った」

「慰安婦問題は挺対協代表だった尹氏が来て解決しなければならない。尹氏は国会議員をしてはならない」