金正恩委員長(写真:Abaca/アフロ)

(山田敏弘:国際ジャーナリスト)

 北朝鮮の金正恩委員長はどこにいるのか――。

 現在、金正恩について様々な憶測が飛び交っている。そもそもは4月15日(金日成主席の生誕記念日「太陽節」)に金正恩が姿を見せなかったのがことの発端だった。

 ただ実際には、それ以前から、金正恩について不穏な情報が飛び交っていた。まず今年2月には、フランスの医師団が平壌入りしたとのニュースが韓国や日本でも話題になった。情報の中には重病説もあったが、その後4月11日に金正恩が朝鮮労働党政治局会議に出席したと報じられている。もっと遡ると、2014年にも金正恩が脳死状態だとする情報が流れている。

 今回は、韓国のデイリーNKが4月20日、金正恩は心臓手術を受けたが回復していると報じると、その翌日には米TV局CNNが、金正恩が手術後に危険な状態にあると示唆した。もっとも、その記事では金正恩が「危険な状態にある」とは書いていない。そういう話があるので米政府が注視している、というだけである。だが、これらの話がどんどん大きくなっていった。

中国の医師を頼るほど、北朝鮮は中国を信頼していない

 その後も様々な情報が飛び交った。中でも、英ロイター通信社が、医療専門家を含む代表団が北朝鮮に派遣されたと報じたニュースが注目された。それ以外でも、「現代ビジネス」は、手術が失敗して金正恩が「植物人間」の状態にあると指摘。この記事は、米国をはじめ世界中で「週刊現代」(執筆者が週刊現代に所属しているため)のスクープとして国外メディアでも引用されている。

(参考)https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72122