今年1月1日、韓国ソウル駅で北朝鮮の公開した金正恩委員長の映像を見る人々(AP/アフロ)

 金正恩委員長は、今年4月11日党政治局会議に出席したものの翌日の最高人民会議に出席しなかった。

「北朝鮮には新型コロナウイルスに一人の感染者も出ていない、感染者も発生させないようにした」と強調した。

 北朝鮮は、写真のように「金正恩は軍の訓練を視察し、軍人に接近して隣にいるではないか、また、軍人たちが黒マスクをしていても、マスクをせず堂々としている」とアピールしていた。

 私は、JBpressでこれまで2度、「金正恩の姿はコピペされたもので、軍人の近くには現れていない」と述べてきた。

 北朝鮮は、コピペした写真を繰り返し掲載している。私も懲りずに指摘したい。

写真:3月12日、砲撃対抗競技を指導する金正恩、指導を受ける軍団長(中将)

出典:朝鮮中央通信(以下の写真も同じ)

金正恩や軍団長は、バラキューダ偽装網で覆われている

 軍の訓練視察は、写真でごまかせるが、さすがに全国の代議員が集まる最高人民会議では、存在していないことを存在したかのように合成写真でごまかせば、そのうわさが広まり、最高指導者、将軍様としての権威を失ってしまう。

 このため、党中央委員会政治局会議を前日に実施して、最高人民会議を欠席した。

 コロナウイルスによって国家が危機に直面しそうなこの時期に、金正恩委員長が党の重大事案を決定する会議に参加しないことは、「金正恩は逃げている」としか見なされない。

 実際、金正恩氏は感染を極度に恐れている。