これと酷似した主張は16年前にもあった。2004年、故シム・ミジャさんなど元慰安婦13人が、挺対協とナヌムの家を相手取って「募金行為及びデモの動員に対する禁止仮処分申請」を出したことがある。

 この元慰安婦らは、仮処分申請を出す前に声明書を発表し、挺対協を「慰安婦問題を口実に自分たちの富貴栄華を享受している」「いつ死ぬか分からない(高齢の)元慰安婦たちを歴史の舞台に物乞いとして売り、私腹を肥やしてきた悪者」と強い調子で非難した。

 彼女たちは、日本の外務省主導で設立された「アジア平和国民基金」が元慰安婦らに500万円ずつ支援しようとした時、挺対協は「日本から金を受ければ、自発的公娼になる」として、基金を受けないように公開的に非難したと主張した。また、アジア女性基金を受け取った7人の元慰安婦らに対しては韓国政府の補助金を受領ができないように妨害し、随時通帳をチェックするなど、恐喝と脅迫に明け暮れていたと主張した。

 ただ、当時の裁判所は「後援金の募集やビデオ販売などは元慰安婦たちの生計支援以外にも、対国民広報、外交的権益保護の目的がある」とし、「原告以外の生存している元慰安婦らは、むしろ挺対協のおかげで名誉と人格権を回復したと考えている可能性もある」という理由で、事件を棄却していた。

元慰安婦の声を殺したのは誰だったのか

 文在寅政権は、2105年の日韓慰安婦の合意が「慰安婦被害者たちの意見が反映されなかった」とし、和解・癒し財団を解散することをもって事実上合意を破棄した。しかし、生存している元慰安婦の47人のうち80%に近い35人が和解・癒し財団からの1億ウォンの補償金を受領した。朴槿恵政権の慰安婦合意に公式的に反対を表明した挺対協やナヌムの家に住む元慰安婦らの13人の中の1人も密かに補償金を受け取ったというニュースも伝えられた。

 正義記憶連帯などの市民団体の活動が、むしろ元慰安婦らの声を殺してしまっているのではないかという疑問こそが、今回糾明されるべき疑惑であろう。