このように与党の雰囲気が反転する決定打となったのは、先週末に浮かび上がった「慰安婦の憩いの場」を巡る疑惑だった。

 尹氏が理事長を務めていた2012年当時、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協=正義記憶連帯の前身)は元慰安婦らの治癒と休憩のための空間造成を名目に、大企業から10億ウォンの寄付金を集めていた。その資金を元にして2013年9月、挺対協は京畿道安城に7億5000万ウォンを払って住宅を購入して「平和と癒やしが出会う家」と、1億ウォンをかけてインテリアを整備した。

 ところが、李容洙さんの記者会見の翌日、この「平和と癒やしが出会う家」を急遽、4億2000万ウォンで売却していた。

公金横領や裏金作りによくある手口に酷似

 この不審な取引について韓国メディアが提起する疑惑は次の通りだ。

 まず、この地域の公示地価が7年間で50%以上上昇していたにもかかわらず、売買価格が購入価格の半分程度にしかならない点。また、購入の仲介人と販売人などが尹氏の夫を中心にした知人関係が絡んでいる点。さらに、ソウルでも十分に住宅を購入できたにもかかわらず、当初計画していたソウルではなく、元慰安婦の人たちが訪問しにくい京畿道安城で住宅を購入したこと。2013年当時、「平和と癒やしが出会う家」周辺の売買相場は最高価格が3億ウォン程度だったという点などだ。

 つまり、韓国メディアは尹氏が「不動産の高価購入」手法で公金を横領した疑いがあると睨んでいるのだ。ちなみに不動産の高価買い入れは、一部の企業が公金横領と秘密資金の造成のために常連に使ってきた「積弊」手法だ。