個人の不動産売買にも疑惑の目

 もう一つ、尹氏個人の不動産投機疑惑も浮上している。

 尹氏は2012年、競売にかけられた京畿道水原(スウォン)のマンションを2億2600万ウォンで購入している。尹氏は当初、現金の出所について「住んでいたマンションを売った」と説明したが、未来統合党の郭尚道(クァク・サンド)議員の調査によると、尹氏が住んでいたマンションを売却したのは2013年だった。時期の食い違いが問題になると、尹氏は「銀行の預金と積み立てを崩し、知人からもお金を借りた」と言葉を変えた。

 年収5000万ウォン前後という尹氏が、マンション購買のために2億ウォンを超える巨額を調達できた経緯については、「昔ことなので記憶が混乱した」と主張しているが、どれほど説得力を持つかは疑問だ。メディアは、現金の出所と関連し、尹氏が複数の自分名義の通帳で寄付金を集めていたことにも注目している。

 尹氏はまた、2住宅保有者として何度も住宅売買を繰り返してきたとされる。これは「不動産市場との戦争」を宣布した文在寅政権が「悪」と規定する不動産投機勢力と全く同じ行動であろう。

 このように、尹氏と正義記憶連帯をめぐる数々の疑惑は、ますます尹氏個人へと焦点が移っていて、今回の事件はあくまでも尹氏個人の「不正事件」として片付けられる可能性が大きい。

 しかし、今回の事件で明らかにしなければならないもう一つの問題は「尹氏が2015年の日韓慰安婦合意について事前に知っていながら、元慰安婦らに知らせなかった」という李容洙氏の主張だろう。この問題に対する追加取材過程で「和解・癒し財団からの補償金を受けとらないように正義記憶連帯側が説得、懐柔した」と言った元慰安婦らの主張も出ている。