「ポリフェノールは体によい」はなぜ広まったのか

赤ワインを飲む口実にはならぬほど、含む食材は多種で豊富

2020.02.07(Fri)佐藤 成美

多様な種類、その数、実に1万以上

 そもそもポリフェノールとは何なのだろうか。

「ポリフェノール」とは「たくさんのフェノール」という意味だ。少し難しいかもしれないが、ベンゼン環などの芳香環にヒドロキシ基(-OH)が結合した化合物を「フェノール」といい、2つ以上のヒドロキシ基が結合した化合物を「ポリフェノール」という。

 お茶に含まれるカテキンやタンニン、ブルーベリーのアントシアニン、蕎麦のルチン、大豆のイソフラボンのように、個々の成分名で出されることもある。紛らわしいが、これらはみな構造からポリフェノールに分類される。種類は多く、すでに1万種以上が見つかっている。

 動けない植物にとって、ポリフェノールは紫外線や害虫などの外敵から身を守る大事な物質であると考えられている。タンニンの渋味は虫や動物に食べられないようにするため、アントシアニンは紫外線をブロックするためと、植物によって種類や機能はさまざまである。

 以下で経緯を追うが、その機能がヒトにとっては有益ではないかと考えられるようになったのだ。これまで、漢方薬や民間療法などで利用してきた植物の有効成分としてポリフェノールの研究が進んでいる。

流行のきっかけは「フランス人の謎」への気づき

パリの街角でワインを楽しむフランスの人びと。

 ポリフェノールが注目されるきっかけになったのは、「フレンチパラドックス」という説である。フランス人は喫煙率が高く、肉やバターなど動物性脂肪もたくさん食べるのにかかわらず、心疾患による死亡率が低いというものだ。動物性脂肪の摂取量と心疾患の脂肪率の高さには相関があるが、フランス人はこの相関から外れていることが知られていた。

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