パパ、お話をしようよ

 冒頭2番目に挙げた、7年ぶりに再会した娘にわいせつな行為を働いた父親のケースでは、車の中で、尋常ならざる行為に及び始めたお父さんに対して、

「パパ(そんなことはやめて)お話をしようよ」というつもりで、娘は穏やかにストップの意思を示したのだそうです。

 ところが、それを「パパ」は「娘が了解した」と、実に勝手な「解釈」をして、その先の行動に進んでしまった・・・。

 これがもし13歳未満であったなら、文句なしにアウトとなってしまいます。

 ところが、13~18歳という、日本特有の微妙な中間年齢層があることによって、こうした「合意」が成立した、というストーリーが可能になってしまう。

 いくつか難しい問題があると思います。

 現下の「少子高齢化」の状況で、政府の立場に立つなら、本当は若いカップルを奨励して、産めよ殖やせよ、と言いたいところもあるでしょう。

 しかし現実には、16歳だった女子の婚姻開始年齢は18歳に引き上げられています。

「婚姻開始が18でも、できちゃった婚外子があれば、それもまた人口」といった意見もあり得るでしょうが・・・およそ推奨される話ではない。

 この連載で扱う法律などに関わる問題では、私は基本的に「両論併記」とし、特定の結論を記さないことが少なくありません。