(写真はイメージです)

(花園 祐:中国在住ジャーナリスト)

 12月23日、中国政府は日本産牛肉の輸入を解禁すると発表しました。

 日本国内で狂牛病(BSE、牛海綿状脳症)が発生した2001年以来、中国政府は日本産牛肉の輸入を禁止していました。今回、月齢30カ月未満の牛肉に限って輸入を解禁するとのことです。

 背景には、中国国内で高まる牛肉需要に対する供給先確保のほか、価格高騰の続く豚肉需要の穴埋めなどがあると指摘されています。

 中国社会では、これまで肉とくれば豚肉一辺倒でしたが、近年は食の多様化に伴い牛肉の消費量が増加しています。また、日本の和牛はかねてより中国国内でも認知されており、今回の輸入解禁は日本の畜産、飲食業にとって大きなビジネスチャンスになりえます。

 そこで今回は、中国での牛肉を取り巻く市場の状況と和牛の位置づけについて紹介したいと思います。

中国人では肉と言えば豚肉

 前述の通り、中国で肉と言えば基本的に豚肉を指します。中国の種類別食肉消費比率をみると、1991年は90.8%が豚肉で占められており、牛肉の比率はわずか4.79%しかありませんでした。2017年になると豚肉が80.9%、牛肉が11.91%となり、牛肉の消費比率が増えていますが、依然として8割超が豚肉で占められています。