今年の新語・流行語大賞が発表された。
御代替わりの元号「令和」やデビュー2年目に全英女子オープンを42年ぶりに制覇し最後まで賞金女王を争った「スマイリング・シンデレラ/しぶこ」などもあるが、大賞に選ばれたのはラグビーのワールド・カップ・日本大会でベスト8に進出した代表チームの合言葉「ONE TEAM」であった。
ラグビーの活躍については今でもマスコミ関係紙誌に論評が続いている。
それほどインパクトが大きかったのは豪州、ニュージーランド、サモア、トンガ、韓国などの出身者も「日本国旗」の下に集い、国歌を高らかに謳い、国家を超越した団結力で国民を熱狂させたからである。
出自が異なっているだけに、異国の旗の下で「ONE TEAM」として纏まるためには大変な努力が重ねられたという。
折に触れ日本の歴史、なかでも武士道を学び、日本の国歌をわが胸に刻み、コーチ陣と代表、それぞれがお互いの関係性に於いて礼節を欠かさず、外国人にとっては不得手な長期間(240日)の合宿もやり通したことからも伺える。
ラグビーは紳士を育てるスポーツ
ラグビーほど荒々しいスポーツはないかもしれない。身体と身体のぶつかり合い、スピリットあふれる果敢な攻防は観る人を興奮させずにはおかなかった。
そうした中で大きな怪我人が出ない、あるいは試合中に喧嘩らしい喧嘩が起きないのは理由があった。
ラグビー精神と呼ばれるものから来ているようだ。それは「品位・情熱・結束・規律・尊重」の5項目である。正しく紳士の要件ではないだろうか。
しかも試合が始まれば、ヘッド・コーチでも介入しない。すべてはキャプテンの指示で行動し、キャプテンしかレフリーにクレームをつけることができない。何から何まで、これまでに見てきたスポーツとは異なることばかりであった。