欧州メーカーの電動化に勝てるのか?

 メルセデス・ベンツは、最高級EVコンセプトカー「Vision EQS」を、東京モーターショーでアジア初公開した。100kWhのバッテリーで、最大700kmの走行が可能とのことである。最高出力約350kW、0-100km/h加速4.5秒未満、最高時速200km/h以上、とスペックもハイレベルだ。

【写真10】:メルセデス・ベンツの最高級EVコンセプトカー「Vision EQS」(東京モーターショー2019で筆者撮影)

 ただし、世界中で電動化において最も進んでいるのは、今回、東京モーターショーに出展しなかった独フォルクスワーゲン(VW)である。ディーゼル排出ガス不正問題により信用を失墜させた同社は、いま巻き返しのためにEV開発に全精力を注いでいる。

 そのVWは、2019年9月10日から始まったフランクフルト国際自動車ショーに、EV戦略車「ID.3」を世界初出展した。最廉価版はドイツで3万ユーロ(約350万円)未満であり、政府の補助金を含めばVWのゴルフと同等の価格を実現した。航続可能距離は、基本グレードで約320km、上位グレードで約550kmをそろえる。VWは、2018年までに約70車種のEVを投入し、全世界で2200万台を販売する計画である。

 さらには、2025年には世界販売の25%、2030年には40%をEVにすると公言している。まさにEVに生き残りをかけているのである。

 VWがこれを実現できるのは、2016年から開発してきたEV向けモジュール化戦略「Modular Electrification Toolkit(MEB)」の効果である。

 日本とドイツで、EV向けモジュール化戦略のアプローチが異なる。このアプローチの差異が、電気自動車の勝敗を決める可能性がある。これについては、稿を改めて報告したい。

 最後にグッドニュースを報告する。東京モーターショーが閉幕した翌11月5日、日本自動車工業会は来場者が130万900人に達したと発表した。目標の100万人を突破、2年前と比べるとおよそ1.7倍という大増員だ。2019年、モーターショーは再び輝きを取り戻した。