「エビに優しい」養殖技術、日本から世界へ

世界を渡り歩くグローバル食材、エビ(後篇)

2019.10.18(Fri)漆原 次郎

輸入に頼る日本には「務め」がある

タイのエビ養殖場。海沿いの土地を開いて養殖場にしている。

 勢いに陰りが出てきたものの、依然として日本は世界有数のエビ消費国だ。そして、その消費量の約9割を輸入でまかなっている。

 だが、その輸入元であるベトナム、インド、タイなど各国の養殖場は、決して安定的にエビを生産できる環境が整備されているとはいえない。伝染病によるエビの大量死といったリスクも抱えている。それでも稼ぎになるからと、貧困層の人たちがエビ養殖事業に頼っているという実状がある。

 海外の養殖場で、日本発の役立つ技術を使ってもらう。これは、輸入に頼っている日本としての務めではないだろうか。

「発展途上地域の人たちにとって、エビは重要な生産物です。それに、アレルギーの人を除けば、エビは、だれでも、どんな文化圏の人でも食べることができる。今後も、科学的な生命のしくみを解明して、世界のために役立てられればと思っています」(ワイルダー氏)

「エビは大量に飼育でき、早く育つため、養殖に向いている生物です。今後も、養殖やエビの食文化が発展していってほしい。より安く、より品質のよいエビを食べられるようになるために、研究を続けていきます」(姜氏)

 研究がエビの養殖技術や食文化を進めてきた側面は大きい。今後も研究がそれを担っていきそうだ。

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