KAGRAは地下200m以下に設置することで、地面の振動の影響は地表の100分の1に。ではどのくらい微小な動きを見なければならないのか? 「太陽-地球間の距離(約1億5000万km)が水素原子1個分伸び縮みする程度」と! これほど、微小な変化を見るために、巨大な装置が必要になるわけだ。加速器しかり、素粒子観測装置スーパーカミオカンデしかり・・・。

 地下にあり、マイナス253℃で「動きを凍らせた」サファイア鏡。この2つのワードでゾクゾクする。細かい説明は後回しにして、まずは地下にある巨大望遠鏡KAGRAへGO!

神岡鉱山の地下200mへ

 富山駅から国道41号線を南下し約1時間。トンネルをくぐりぬけ、「鮎の塩焼き」と書かれた看板を横目に、跡津川沿いのくねくね細道を進んだ先に「かぐらトンネル」があった。ここは岐阜県飛騨市神岡町にある神岡鉱山。

「かぐらトンネル」の入り口。

 神岡鉱山と聞けば、地下1000mにある巨大水槽の純水で素粒子ニュートリノをキャッチした「スーパーカミオカンデ(SK)」が有名だ。KAGRAも同じ東京大学宇宙線研究所の施設で、SKに隣接。だが、SKは神岡鉱山の坑道を利用したのに対し、KAGRAは新しくトンネルを掘った。

 KAGRAは一辺約3kmのアームを2本持つ。総延長7700mのトンネル掘削を1年10カ月で完成させたそうだ。大変な作業だったに違いない。

神岡鉱山とKAGRA、SKの位置関係。(提供:東京大学宇宙線研究所)

 9月30日13時、報道陣はかぐらトンネルの中へ。外は30度近い暑さだったが、中はひんやり。トンネル内部を走るパイプには酸素が通っていて、各3kmのアームトンネルの先まで酸素を送る。作業者は酸素濃度計を携帯、濃度が薄くなるとブザーが鳴るそう。国際宇宙ステーション(ISS)のような閉鎖環境に近い。