中央実験室では、レーザールームから出たレーザー光を、ビームスプリッターという鏡でXアームとYアームの2方向に分ける。それぞれのアームの先端に配置した鏡(サファイア鏡)で反射させ、戻ってきた光のわずかな到達時間の違いを、光検出器で検出する。

この奥にレーザールームがあり、周波数や強度の安定したレーザー光が発射される。

KAGRAならでは! 動きを凍らせたサファイア鏡

 中央実験室の巨大な装置群に圧倒されながらも、ほぼすべての装置がクリーンブースに覆われていて、なかなか目当ての物が見られない。目立ての物とはサファイア鏡。鏡そのものは無理としても、鏡が格納され、マイナス253℃もの極低温で冷やしているというクライオスタットを拝めるかと内心期待していたのだ。だが試運転中につき、叶わなかった。

サファイア鏡を格納した防振装置付きクライオスタットは、合計4カ所に設置されている。(提供:東京大学宇宙線研究所)

 しかし、現場に行って大橋教授の説明を聞いて驚いたのは、KAGRAの「振動を極限まで防ぐ」システムだ。なんと2階の防振室から約14mという世界最大級の防振装置でつるされているのだ。

KAGRAの特徴の1つ、わずかな振動も許さないシステム。

「14mの防振部を作るために、普通は巨大な穴をあけて建築物を建てて支持するが、せっかく(神岡鉱山の)硬い岩盤があるなら、鏡をつりさげる支点のところは岩盤の上に置きたい。そのために、非常に複雑な形状のトンネルを掘りました」

 さらにサファイア鏡もクライオスタット内につるされている。こうして地面の振動による雑音を極力なくすとともに、熱的に外界と遮断した装置ができあがった。いったいどんな装置なのか。宇宙線研究所に写真を提供してもらった。