先日、2017年度のノーベル賞が発表されました。医学・生理学賞は「体内時計を制御する分子機構の発見」に対して、物理学賞は「レーザー干渉計重力波検出器LIGO(ライゴ)と、最初の重力波検出」に対して、化学賞は「クライオ電子顕微鏡の開発」に対して与えられました。
文学賞、平和賞もあわせて全て紹介したいところですが、バイト数の限りもあるので、ここでは物理学賞について解説します。重力波についてはこの連載で何回も取り上げてきましたが、やはり受賞を祝って書かざるを得ないでしょう。
なお、化学賞を受賞したクライオ電子顕微鏡の開発については、東京大学大学院で低温物性物理を専攻した伊東乾先輩の記事を御覧ください。
(参考)「ノーベル化学賞:『二重らせん構造』ではないDNA」
LIGOと重力波トリビア
アメリカのルイジアナ州リビングストンとワシントン州ハンフォードに、「レーザー干渉計重力波検出器LIGO(ライゴ)」という、とんでもなく大きくて、史上最高に精密な装置があります。
LIGOは、長さ4kmの腕(パイプ)を2本、L字型に組み合わせた構造をしています。パイプの内部は超高真空に保たれ、そこをレーザーが行ったり来たりして、距離の変化を測ります。
この2台の装置は、2015年9月14日9時50分45秒(協定世界時)に、ちょっぴり伸び縮みしました。
宇宙からの重力波が初めて検出された、人類史に残る瞬間です。
2017年のノーベル物理学賞は、重力波の検出に対して授与されました。
ここではノーベル賞受賞を祝して、LIGOにまつわるトリビアを6~7発、紹介しましょう。