この連載では、「LIGO」(ライゴ、米国にある2台のレーザー干渉計重力波観測装置)による重力波検出を繰り返し取り上げています。またかと思われる読者もいらっしゃるかもしれませんが、またまたです。だって重力波、面白いんだもん。
(参考・関連記事)
「人類の前に新事実、ブラックホールはたくさんあった」
「宇宙の姿が変わる!私たちはすごい時代を生きている」
「重力波検出のすごさ、子どもに説明できますか?」
LIGOはこれまで3発の重力波検出を公式発表しています。いずれもブラックホールどうしの衝突・合体による重力波と考えられています。
2017年8月、天文学業界にまたもや重力波発生の噂が流れました。今回はこれまでと違って、重力波の発生源が別の観測装置でも捉えられたかもしれない、というのです。
これが本当なら、重力波天体の理解が飛躍的に進展します。他の波長の観測装置で天体を観測すると、得られる情報が桁違いに増えるのです。
また、今回検出された重力波天体は、種類がこれまでと違う可能性があります。ついに待ち望まれてきた中性子星の衝突・合体が見つかったのかもしれません。
まだどこからも正式な発表のない段階で、 『ニュー・サイエンティスト』『ネイチャー』『ナショナル・ジオグラフィック』 などの科学誌が、ウェブ記事でこの噂を取り上げました。あまり例のないことです。
天文学業界はどこに期待し興奮しているのでしょうか。解説しましょう。