しかも、トランプ大統領は、中東からアメリカ軍を撤退させたい意向である。それに反対したジョン・ボルトン安保担当大統領補佐官を、9月10日にスパッとクビにしてしまったのは、まだ記憶に新しい。

アメリカにはシェールガスがあるが、日本は中東の石油に頼るしかない

 トランプ大統領が中東に興味を失ったのは、シェールガスなどによって、中東の石油に自国のエネルギーを頼る必要が薄れたことと関係している。

 だが、日本はそうではない。原油の輸入国は、1位サウジアラビア40.2%、2位UAE24.2%、3位カタール7.3%、4位クウェート7.1%と、トップ4位までが中東で、計78.8%も占めている(2017年統計)。中東が「ドローン戦争」に突入したなら、1973年のオイルショックを超えるショックが、日本を襲うことになるのは確実だ。

 今週、アメリカとイランのバトルは、ニューヨークの国連総会が舞台になる。ようやくアメリカのビザが下りたザリフ外相は、20日にニューヨークに向けて出発した。ハサン・ロウハニ大統領も続いて出発する予定だ。

 だが、国連総会を舞台にしたアメリカとイランの「バトル合戦」は、何の成果も生み出さないだろう。国連総会で本当に話し合うべきは、「核の脅威」と同様、「ドローンの脅威」をいかになくすかということだ。