こうした人たちにとって生活を支えるカギとなるのが配偶者の存在である。夫と妻が国民年金の受給者であれば、単純計算で2倍の年収となるので、何とか生活を維持できるかもしれない。だが、配偶者の死亡や離婚など、単身者になったことをきっかけに老後破産に陥るケースは少なくないので注意が必要だ。

自己責任と一刀両断にできる人は少ないはず

 こうした状況は、生活保護の需給状況からも推察できる。

 2019年4月時点で生活保護を受けている人は約210万人である。このうち55%が高齢者世帯だが、高齢受給者のなんと9割以上が単身世帯となっている。これは、配偶者との死別や離婚などで年金額が半減し、生活が破綻したことを物語っている。

 統計から伺い知ることはできないが、最終的に生活保護などの公的支援に至るかどうかは、子どもや兄弟など、頼れる親族がいるのか、本人の健康状態が良好なのかといったところにかかってくる。これらの条件を満たさない場合、生活保護になる確率は一気に上がってしまうだろう。

 一連のデータを冷静に分析すると、よほど高い年収を維持してきた人を除けば、誰でも老後破綻する可能性があるという結論にならざるを得ない。

 破綻するかしないかを分けるのは、持ち家やまとまった貯金の有無、配偶者、健康状態、そして支援してくれる家族ということになるだろう。

 これらはある程度までなら自分でコントロールできるが、不可抗力という部分も大きい。少なくとも、老後破産は自己責任であるとして一刀両断にする風潮は望ましくない。老後破産を「自己責任」と言い切ることができるのは、ごくわずかなか高額所得者だけというのが現実だからである。