高齢者は若年層よりも優遇されているわけだが、それでも、現実の年金給付額はこの程度しかない。これが日本の現実であり、今後はここからさらに給付額が削減されることを考えると、状況はかなり厳しい。

 この数字は、厚生年金(公務員共済)と国民年金のみの受給者をすべてを含んだ平均値であり、どの年金に入っているのかで状況は大きく変わる。

男性の厚生年金受給者に限っても、年金額は少ない

 企業に勤めるサラリーマンは基本的に厚生年金に加入している。厚生年金の加入者は国民年金にプラスして厚生年金も受給できるので、老後に受け取る年金の絶対額は、国民年金のみの加入者(つまり自営業者やフリーランス)よりも多くなる。

 では厚生年金の受給者に対象を絞った場合、数字はどうなるだろうか。

 厚生年金の受給者における年金額の平均は149万6000円である。確かに全体の平均値よりも高いが、金額が大幅に増えるわけではない。日本の場合、男性の方が圧倒的に賃金が高く、男性が家計の担い手となっているケースが多いと考えられるが、男性の厚生年金受給者に限定した場合はどうだろうか。金額はだいぶ高くなり、年間の平均額は191万8000円、月あたりの金額に換算すると約16万円となる。

 年収190万円でもかなり厳しいが、ここまで来れば、何とか生活が成り立つレベルといってよいかもしれない。

 日本の中でもっとも稼いでいる、男性の厚生年金受給者の段階でようやく生活が成り立つというのが現実であり、逆に言えば、男性サラリーマン以外の立場の人は、相当、厳しい環境だということが分かる。だがこの金額の年金をもらえている人は、退職時には年収が600万円から700万円程度だった可能性が高く、かなりの高給取りである。

 男性の厚生年金受給者においても、年間150万円以下という人が3割存在しているので、平均的な給与水準の場合、年金額はかなり少ないと思ったほうがよい。