「資産寿命」を安心して伸ばすためには

長期・積立・分散投資を早めに始めて“時間”を味方に

小島 淳/2019.5.27

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 先日公表された金融審議会市場ワーキング・グループによる「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)がちょっと話題になりました(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190522/01.pdf)。

 国が公的年金の限界を認めて個人の自助努力を呼びかけたことが大きな理由です。ほかにも本報告書では「資産寿命」の延ばし方と心構えを提案。金融機関に対しては顧客本位の業務を徹底するよう促す内容になっています。

 公的年金の限界は以前から指摘されていたことです。国がそれを認めたことの是非はさておき、筆者が気になったのは「資産寿命」という言葉です。

資産寿命を伸ばして安心したいが

 本報告書によると資産寿命とは、「『生命寿命』や『健康寿命』と関連して、老後の生活を営んでいくにあたって、これまで形成してきた資産が尽きるまでの期間。資産寿命が尽きた後は年金などのフローの収入のみで生活を営んでいくこととなる。」とあります。 

 最近の統計では日本人の平均寿命は男性81歳、女性が87歳。一方の健康寿命(寿命において健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)は男性72歳、女性75歳とされており、それぞれ9~12年の差があります。老後資金は長く働くことで準備したいと考えても、現実的に難しい期間があるわけです。多くの人はできるだけ資産寿命を延ばして、安心して老後生活を迎えたいと考えるはずです。

高齢社会における資産形成の心構えを提案

 NPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)がまとめた「世代別比較 くらしとお金に関する調査2018」によると、資産寿命を延ばすために必要だと思うこととして、「現役で働く期間を延ばす」(41.3%)、「生活費の節約を心がける」(40.9%)、「健康に気を配り医療費を削減する」(31.5%)、「若いうちから少しずつ資産形成に取り組む」(29.2%)、「共働きや副業で収入を増やす」(25.6%)などが挙げられています(n=1200、複数回答可)。