「投資初心者向け」という言葉には要注意

投資の世界には初心者もベテランも存在しない、と考えるべき

小島 淳/2019.5.21

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「あなたは投資初心者ですか?」と聞かれたら、どのように答えますか。一見な単純な問いのようですが、なかなか難しい質問です。

 たとえば投資を始めたくて勉強中という方は、初心者というより「投資未経験者」と言った方がいいかもしれません。一方で、投信(投資信託)も個別株式も実際に運用しているというだけで「初心者を卒業した」と言い切るには無理があります。

はっきりした定義はない

「投資初心者」にはっきりした定義はありません。単なる投資期間や銘柄、金額などでは語れません。

 金融機関は便宜上、「投資未経験者」「投資期間1年未満」「証券口座は持っているがリスク商品に投資してない人」のようなグループ分けをしています。しかし、大事なことは投資家自身が自分のことをどう捉えているか、です。

 ちなみに筆者が投資初心者と言う場合は、「興味があって勉強中だが投資未経験」という方から「投資を始めて1年未満」までの方をイメージしています。ただしこれが一般的であるというわけではありません。

 私見ですが、我が国における本当の資産運用は、iDeCo(個人型確定拠出年金)の対象枠が広がった2017年1月に始まり、つみたてNISA(少額投資非課税制度)がスタートした2018年1月から本格化したと考えています。とすると現在まで3年も経っていないわけです。そう考えると日本の個人投資家はほとんどが「投資初心者」と言ってもいいのではないでしょうか。

大きな下げ相場を経験しているか

 あるリート(不動産投資信託)専門の著名アナリストは「リーマンショックを経験していない銘柄が投資・運用戦略などをいくら上手に説明しても割り引いて聞いている」と言っています。言い換えると、リーマンショックのような大きな下げ相場を経験して生き残った銘柄には、そこでしか得られない経験とノウハウが蓄積されていて、今後の運用成果に必ず役立つというのです。