リーマンショック時(2008年)の国内リートの年間騰落率は約-63%。リートはその制度上、内部留保をほとんど吐き出しているので、当時のファンド運営には相当な苦労があったはずです。それを乗り越えた銘柄なら、今後も大崩れすることなく淡々とリターン(リートの場合は分配金)を積み上げていくだろうという見方です。

 同じことは個人投資家にも言えるのではないでしょうか。長期の資産運用は積み立て投資を基本に、未来のリターンに期待すること。その過程で忘れることができないような出来事(資産価値の暴落など)を経験し、それを乗り越えて投資を続けている――。これが投資初心者を卒業したかどうかの試金石のひとつになります。

バランス型やインデックス型は初心者向き?

 気をつけたいのは「これは初心者向けです」と紹介される金融商品です。自戒を込めて書きますが、多くの個人投資家は「初心者向け」と言われると自分に向けた、もしくは自分にふさわしい商品なのだろうと“錯覚”してしまいがちです。「初心者向け」はとても間口の広い、ある意味で売る側にとって使い勝手のよい言葉なのです。

 初心者向けと言われる投信としては、バランス型やインデックス型などが挙げられます。国内外の株式・債券・不動産に投資するバランス型は、1本の投信で分散投資ができてしまいます(投資コストを含めた合理性は別として)。日経平均株価に連動するインデックス型は、身近さとわかりやすさという点がメリットであることは間違いありません。

 いずれも「理解しやすい」投信であるとは言えます。自分が理解できる商品に投資することは確かに基本中の基本。しかし、それだけで「初心者に向く」と決めてよいのか、疑問が残ります。

初心者もベテランもゴールは同じ

 実のところ、投資や資産運用の世界には初心者もベテランもないのかもしれません。なぜなら、ゴール(目的)に違いがないからです。すなわち、老後の生活資金を現役世代のうちから準備すること。準備したい金額と無理なく投資できる金額にこそ違いはあるでしょうが、多くの個人投資家の目的は同じだと思います。