自らがしゃしゃり出るのではなく、日韓双方の首脳から要請があれば、時間と場所ぐらいは提供する。双方の話し合いの司会役くらいはやってもいい、というわけだ。

 トランプ大統領の「日韓関係はうまくやる必要がある」というツイートはかみ砕いて言えばそういったことではなかろうか。

GSOMIA破棄:期限90日前に通告義務

 これまで無関心だったトランプ大統領が関心を持った(キャリア官僚レベルの話が国務長官を通じて大統領の耳に入ったからか)のは文在寅政権高官の強硬発言だ。

 韓国は日本の対韓輸出規制強化への対抗措置として「軍事情報包括保護協定」(GSOMIA=General Security of Military Information Agreement)の破棄をちらつかせ始めたからだ。

 同協定は北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射を受けて日米間の安保協力が求められた2016年11月23日に締結された。朴槿恵政権の時、国内世論の反発を避けるように密かに結ばれたとされている。

 日米韓の間では2014年に締結された「軍事情報共有協定」があったが、米国が日韓両国の直接的な軍事提携体制の構築を強く望んだためだ。

 協定は1年ごとの自動延長が原則で、延長期限の90日前にどちらかが破棄する意思を通告すれば破棄される。

(延長期限は今年は8月24日。韓国は延長期限の90日前、つまり5月27日に破棄するとの通告はしてきていない)

 同協定の有効性について在日米軍基地に勤務したこともある国防総省元高官は、筆者にこう述べている。

「韓国は偵察機を利用して北朝鮮の平壌以南から軍事境界線までの軍事施設で発信される無線通信を傍受し、各種映像情報を収集する」

「韓国は北朝鮮が発射した弾道ミサイルをレーダーでリアルタイムで捉えられるため、情報を迅速に受け取れれば日本は十分な迎撃時間を確保できる」

「一方、日本は、情報収集用の衛星6基や1000キロ離れた弾道ミサイルを探知できるレーダー搭載のイージス艦6隻、探知距離1000キロ以上の地上レーダー4基、早期警戒機17機、P1やP3哨戒機約110機を保有している」

「日本の対北朝鮮情報収集や分析能力は米国並みだ。北朝鮮情報だけでなく、中国やロシアの動きを捉える自衛隊の情報集能力は米国にとって必要不可欠だ」