日本政府による対韓輸出規制強化策実施を機に始まった韓国での日本製品不買運動がさらに拡散している。
一部、日本企業の消費財の売り上げが急速に減り、日本への旅行をキャンセルする例も増え始めている。
不買運動がどこまで拡散するかは不透明だが、「若者層」が積極的に賛同していることが目につく。
日本製品の不買運動が拡散しているという報道が多いので最近、気になっていろいろな店を回っている。
今日(2019年7月25日)午後にもソウル市内中心部の「ユニクロ」や「無印良品」を見てきた。混雑はしていないが、平日の午後だからとくにヘンだとは感じない。レジに人も並んで買い物をしている。
テレビや新聞で、店頭から日本製のビールなどを撤去している場面を良く見かけるが、筆者が行く店にはいつも通り商品がある。数日前にも、日本製ビールを5本ほど買ったばかりだ。
それでも一部日本製品の販売が急減していることは確かなようだ。「中央日報」によると、7月1~18日の大手コンビニ3社での日本ビールの売上高は、前年同期比で18~40%減少した。
ビール、日本車販売に影響
大手スーパーである「Eマート」での売上高は、同30.1%減少した。7月第1週は同24.2%減だったが、第2週は同33.7%減、第3週は同36%減とだんだんマイナス幅が大きくなっている。
「ユニクロ」は販売動向を明らかにしていないが、同紙は、「最近、販売が26%減少した」と報じた。
このほか、日本向け旅行商品や日本車の販売も急減しているという。
ある日本の消費財メーカーの幹部も「6月以前に比べて販売が3割以上減っている」と語る。
航空便については、羽田~金浦便の搭乗率や予約率には大きな変化はないが、日本の地方空港への便については旅行客数の減少が出ているようだ。
韓国のLCC(格安航空会社)が9月から相次いで日本便の休航や減便を決めた。イースター航空は、釜山~大阪、釜山~札幌間、エア釜山は大邱(テグ)~成田、大邱~関西が対象だ。
いずれも韓国の地方空港発着の便だ。旅行会社の関係者は「企業の報奨旅行のほか、個人旅行の予約もかなり減っている」という。
韓国ではネットのほか、一部放送でも、公然と日本製品の不買運動を呼びかける動きがある。これに呼応する消費者が少なくはないのだ。