殻の脱皮で巨大化へ、生存競争に勝ったエビとカニ

生物進化を食べる(第4話)節足動物篇

2019.07.26(Fri)大平 万里

 そして、繁栄しているが故に、近年、昆虫を食料資源にする考え方が広まりつつある。世界の人口がこのまま増え続ければ、今までのように魚介類・鳥類・哺乳類のタンパク質に依存した食生活は困難になると予想されている。そんな中で昆虫は、将来の重要なタンパク質源として期待されているのだ。昆虫は、他のタンパク質源よりも人工的に養殖するコストが小さいのである。

 とはいえ、食文化はそうそう変わらないので、現実的には昆虫から抽出したタンパク質を加工して食品に使われることが多くなるだろう。ただ、成人の食物アレルギーの25%程度は甲殻類アレルギーであることを考えると、昆虫食においてもアレルギーの問題を解決しないとなかなか普及は難しいかもしれない。

 さて、節足動物はカンブリア紀の昔から時代ごとの環境に適応してきたが、外骨格というものは「防御」という点では優秀なものの、「運動」という点では少し欠陥がある。というのも、飛翔という離れ業を獲得した昆虫を除くと、節足動物の動きのパターンは外骨格の構造上、稼動方向が限定されてしまい、運動の「しなやかさ」という点で見劣りしてしまうのだ。カニが横歩きしかできないことはその典型例であろう。

「しなやかな動き」を実現させるためには、骨格を内包し、筋肉を外に配置するほかないだろう。

 ということで、次回はいよいよ背骨のある生物の登場である。

第5話へつづく)

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