殻の脱皮で巨大化へ、生存競争に勝ったエビとカニ

生物進化を食べる(第4話)節足動物篇

2019.07.26(Fri)大平 万里

 ヤドカリは貝殻を使って防御しているが、タラバガニもズワイガニもまさに「無言の食卓」を生じさせるような強固な殻をまとっている。

アレルギー「エビ・カニで多、鶏・豚で少」にも理由あり

 さて、冒頭の美味しい「無言の食卓」が生じる食事会は、誰でも参加できるわけではない。カニが嫌いなわけでもないのに参加したら大変なことになる人がいるのである。いわゆる、甲殻類アレルギーの人々だ。

 甲殻類の共通点はキチンの外骨格があることだから、キチンがアレルギーの原因のような気もするが、現在では筋肉の収縮を調節する「トロポミオシン」というタンパク質が原因物質だと考えられている。

 トロポミオシンは脊椎動物の筋肉にもあるが、鶏肉や豚肉を食べてアレルギーとなる人はエビ・カニがダメな人に比べて少ない。これは系統が離れた生物どうしだと、同じ機能のタンパク質でも、よりアレルギーの原因物質になりやすいらしいのだ。つまりは、ヒトと甲殻類とは系統的にかなり遠い位置にあるということが、アレルギー発症の観点からも推測できる。逆にいえば、エビでもカニでも同様のアレルギーが発症するということは、エビとカニが極めて近縁であることの証であるともいえる。

エビ・カニを食べるのなら、同じく節足動物の昆虫だって・・・

 エビ・カニと近縁の生物といえば、昆虫もそうである。最近の遺伝子の比較による分子系統的な研究では、昆虫は淡水にいたエビの祖先が上陸して進化したものと推測されている。そして、いまや種の数でいえば地上にいる動物の大半は昆虫であり、陸上の環境に最も細分化して適応している動物といえるかもしれない。

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