以上のように、安倍政権は外交成果をカードに使うことができない。その関連で、憲法改正も有権者の関心を引かない。なにより、改正をしなくても、航空母艦を保持することも、海外に自衛隊を派遣することも可能になっている。自衛隊を憲法に明記しなければ、外交を展開できない状況ではなくなっているのである。

世論調査を見る限り「政権交代」は・・・

 国民の関心は内政、つまり経済と社会保障である。年金では老後2000万円が不足するという問題が浮上したが、そのことは国民が既に知っていることであり、12年前に自民党を惨敗させた年金記録問題とは違う。しかし、老後の生活不安を再認識させたことは、政権与党には不利になっている。

 景気については米中貿易摩擦の影響で、世界経済全体が縮小しており、日本経済にも悪影響を及ぼしている。そのような中で、消費税増税を予定通りに実行した場合には景気が悪化する危険性がある。この点は、与野党で対立する争点であるが、野党には社会保障財源をどこに求めるかを明示することが求められている。

 直近の世論調査、①NHK世論調査(6月28〜30日)、②日経新聞世論調査(28~30日)、③読売新聞・NNN世論調査(29~30日調査)によれば、安倍内閣支持率は、①45(+3)%、②56(+1) %、③53(−2)%、不支持率は、①31(−3)%、②36(±0)%、③36(+4)%である。また、参院選比例投票先は、②自民44%、立憲14%、公明6%、維新6%、共産4%、社民2%、国民1%。未定18%、③自民40%、立憲10%、維新6%、公明5%、共産4%、国民2%、社民2%、未定23%である。

 これらの調査結果を見ると、政権交代が起こることは予測しがたい。それが、参院選が盛り上がらない理由かもしれない。