重み増すテレビ討論だがポピュリズムの要因にも

 イギリスでも保守党の党首選が行われているが、やはりテレビ討論がその行方を大きく左右している。いま行われている決選投票では、行儀の悪い変わり者であることで有名な本命候補のボリス・ジョンソン前外相と穏健派のハント外相との一騎打ちとなっているが、そこに至る過程で候補者たちの過去の不祥事が問題となってきた。

英次期首相、7月23日に発表へ 与党が表明

ボリス・ジョンソン前外相・前ロンドン市長(右)とジェレミー・ハント外相(2019年6月21日撮影)。(c)Ben STANSALL and Emmanuel DUNAND / AFP〔AFPBB News

 政策のみならず、過去の履歴など候補者の人物を白日の下にさらけ出すテレビ討論が代表者の選択に大きな意味を持つのは、世界中の先進民主主義国で共通であり、そしてまたポピュリズムの一つの原因となっている。

 参議院選挙は、大統領候補指名選挙や党首選挙とは異なり、各党党首の人気投票ではないが、党首のパフォーマンスも重要であり、失言などで選挙戦の流れが大きく変わることがある。最近では、テレビなどのマスメディアのみならず、SNSもまた重みを増している。日本ではまだ、韓国、香港、台湾ほどにはSNSの政治動員力は大きくないが、じわじわと拡大しているようである。その好例が、山本太郎が旗揚げした「れいわ新撰組」で、ネットなどで呼びかけて2億円を超える寄付を集めている。

 各種世論調査では、若者の自民党支持が高い傾向にある。何が原因なのかは細かく分析してみる必要があるが、安定志向、保守化志向が強くなっているようだ。それには、バブル崩壊後、約30年にわたって続くデフレも影響している。

 10代、20代の若者は、デフレしか経験したことがなく、物価も変動がない。高度経済成長のときのように、給料も物価も上昇し躍動する社会とは無縁の人生を送ってきている。心理的にも、躍動とは対極の沈滞がムードとなってしまうが、それが安定志向につながっているのであろう。

 また、安倍首相は、若者に人気のある芸能人と共演したり、対談したりして、それをインスタグラムで発信する。若者は自分がファンである芸能人の情報をつねに得ているので、インスタなどのSNSの発信力は馬鹿にできない。タレントと安倍首相のツーショットの写真や動画を使う自民党が、上手にSNS を活用していることが分かる。これも若者の自民党支持を高めている要因かもしれない。野党は自民党ほどSNSを利用していない。