(舛添 要一:国際政治学者)

 地球温暖化の影響か、5月に猛暑が到来するなど最近の気候変動には驚く。そしてまた、集中豪雨などの災害も増えている。しかも、大都会もその災害から免れているわけではない。

 最近は、記録的な猛暑、記録的な集中豪雨、記録的な長雨など、「記録的」と形容されるような異常気象が続いている。異常気象は一過性のものではなく、今後も続くと考えたほうがよい。猛暑のみならず、豪雨や台風で洪水や高潮の被害もまた常態化するという前提で危機管理を行うべきである。

衝撃的な「江戸川区水害ハザードマップ」

 豪雨災害だけをピックアップしても、2018年6月28日からの雨は、岡山県、広島県、愛媛県に土砂災害や浸水被害をもたらした。2017年には、6月30日から7月10日に大雨が降り、福岡県、大分県を中心とする北部九州に、死者40人、行方不明2人という甚大な被害を出した。2015年9月7日〜11日には、鬼怒川の堤防が決壊し、1万5000棟以上が浸水した。2014年7月30日〜8月20日の豪雨は、広範囲にわたったが、特に広島が大きな被害を受けている。

豪雨で鬼怒川氾濫、各地で洪水

洪水に見舞われた栃木県小山市で、ゴムボートで住民を避難させる救助隊員ら(2015年9月10年撮影)。(c)AFP/Yoshikazu TSUNO〔AFPBB News

 近年の過去の豪雨災害を振り返ってみると、原因は梅雨前線に台風の影響が加わるケースが多いが、台風の発生件数も多くなっているようだ。

 豪雨の時期は夏である。2014年以前を見ても、2012年の九州北部豪雨が7月11〜14日、2011年の台風12号よる豪雨は8月30日〜9月5日、新潟・福島豪雨が7月27日〜30日である。もし、同じような豪雨が2020年に東京圏を襲ったら、オリンピックやパラリンピックはどうなるのか。