タンカー攻撃、米が新たな写真公開 イラン関与の証拠と主張

米国防総省が公開した、オマーン湾でのタンカー攻撃へのイラン関与の証拠とされる写真(2019年6月17日撮影)。(c)AFP PHOTO / US Department of Defense〔AFPBB News

 安倍晋三総理がイランを訪問している時に、ホルムズ海峡でタンカーへの攻撃が起こった。

 攻撃を巡っては、米政府は「イランに責任がある」と主張した。米中央軍は、吸着型の爆発物が使われたと断定し、当日の午後4時頃革命防衛隊が小型ボートを国華産業が運行するタンカーに横づけし、不発の爆発物を回収したとする映像を公開した。

 マイク・ポンペオ国務長官は「今回の襲撃は、イランが扇動した一連の攻撃の最新事例にすぎない」と批判した。

 これに対し、イランは、攻撃を否定している。イラン外務省の報道官は、「このような不幸な事件の責任をイランに押しつけるのは、ポンペオ長官の自分勝手なやり方だ」と関与を否定した。

 タンカーを運航する国華産業の社長は、「何者かによる攻撃を2回にわたって受けた。2回目の攻撃の際、複数の乗組員が飛来物を目撃。それによって船体に穴が開いた」との報告を受けたと述べている。

 日本のタンカーと同時期に攻撃されたノルウェーのタンカーの船長は「おそらく、魚雷攻撃だ」と無線で話した。

 この事件を、軍事的合理性から見ると、納得できない軍事情報が多すぎる。そこで、今回は、確認できるいくつかの軍事情報だけを使用して、何が事実で何が疑問なのか、何が誤りなのかを客観的に分析し検証したい。

 特に、注目しているのは、以下の3点である。

①日本のタンカーだと分かっていて攻撃したのか
②爆破物によってタンカーに開けられた2つの穴
③米国が公開した爆発物回収とされる船艇の特色