トランプ氏、対北追加制裁を撤回 金委員長への「好意」で

ベトナム・ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談で、休憩中に散歩するドナルド・トランプ大統領(右)と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長(左)。北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)配信(2019年2月28日撮影)。(c)AFP PHOTO/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

 これまでの米朝首脳会談での北朝鮮の主張を見ると、「非核化の決意」と称して核を放棄するように見せかけ、実際は核ミサイルを放棄せず、制裁解除と戦争終結宣言を取りつける目標を達成しようとしていたようだ。

 では、その交渉戦略はどうなのか。

(1)旧式で役に立たなくなっている施設は廃棄する。

(2)施設の修復が容易なものは解体するが、修復に時間と費用がかかるものは破壊しない。

(3)一部は公開し破壊しても、大部分は隠し通す。

(4)ウラン濃縮施設は、見せずに隠し通し、核物質を製造し続ける。

 これが基本であろう。つまり、北朝鮮にとって廃棄しても影響が少ないものは交渉材料として提出し、また、一部を廃棄することによってすべてを廃棄したように見せかけ、国家生存に必要な核は隠し通そうとした。

 特に、双方にとってウラン濃縮施設の廃棄だけは「譲れない」「合意できない」絶対的事項であったろう。

 その理由は、米国としては北朝鮮の核兵器製造を確実に止められるかという判断材料になるし、北朝鮮としては、米国に気づかれずに核兵器を大量に製造でき、密かに核保有国であり続けることができる唯一の施設であるからだ。

北ミサイル施設、再び「稼働可能」に 衛星画像が示唆

北朝鮮・東倉里のミサイル発射施設「西海衛星発射場」を捉えた衛星写真(2019年3月6日撮影、資料写真)。(c)Airbus Defence & Space/38 North/Pleiades © CNES 2019, Distribution Airbus DS〔AFPBB News