学び続けることが、ビジネスや人生を豊かにする。

 人生100年時代には、働き方や人生設計に関してこれまで積み重ねてきた常識が通用しなくなることが予想される。知識や考え方の大幅なアップデートが必要となるだろう。

 そのための対応として、たとえば近年、生涯教育としてのリカレント教育が話題に上ることも多い。また一方で、働きながら大学院大学で経営学修士(MBA)の取得を目指すなど、社会人向けのビジネススクールも注目されている。

 ビジネススクールというと、集まるのは若手~中堅のビジネスパーソンが中心のように思えるが、実はそこに集まる学生は幅広い。たとえば、71歳でビジネススクールに通い始めた人もいる。協立情報通信(東京都港区)創業者で代表取締役会長の佐々木茂則(ささき・しげのり)氏だ。協立情報通信は、主に中小企業のIT化、情報化を支援するITソリューション提供企業である(2013年2月JASDAQ上場)。佐々木氏は、多摩大学大学院へ通い、MBAを取得した。

 なぜ、70歳を過ぎてからビジネススクールに通ったのか。ビジネスパーソンにとって学び続ける意味とは何なのか。佐々木氏に話を聞いた。

協立情報通信 代表取締役会長の佐々木茂則(ささき・しげのり)氏。1964年、佐々木会長29歳の時に創業。今年で創業55周年。2008年春、黄綬褒章受章。2013年秋、旭日双光章受章。

得たかったのは「自信」

 佐々木氏は、戦後間もない頃、中学を卒業して働き出した。その後、長い時間をかけて事業を成長させ、業界団体での要職にも就くようになった。しかし、それに伴い、経歴が表に出るようになると、最終学歴が中卒であることが気になったそうだ。そのため、これまでに放送大学で授業を受け、学位を手にしてきた。

 その学位にとどまらず、さらに多摩大学大学院に通ってMBAの取得を目指したのはなぜか。