「大学院の同期とは、今でもつながりがあります。プライベートでも、ゴルフが好きなメンバーとは今でも集まっています。多摩大学に通ったのは2年間だけですが、年齢関係なく同じ釜の飯を食べたというのは、今でも貴重な財産です」

習うことからさらにその先へ

 佐々木氏の「学び」にかける情熱は並々ならぬものがある。その姿勢は企業のトップから一般社員まで広く手本になるだろう。特に中小企業の場合は、個々人の能力が事業に反映されやすい。社員一人ひとりが学ぶことの意義はきわめて大きいといえよう。

 佐々木氏は、デミングのPDCAサイクルになぞらえ、学ぶことの必要性をこう語る。「PDCAの“Action”には、学びや知識が必要です。それらがないまま同じところでActionしても意味がありません」。

 現在、協立情報通信が手がける交流と学びの場「情報創造コミュニティー」のエントランスには、「学び(Study)」と「知識(Knowledge)」を加えた図を掲げ、その実践に取り組んでいる。

「情報創造コミュニティー」に掲げられたパネル。一番右がPDCAサイクルに「学び(Study)」と「知識(Knowledge)」を加えた「SKPDCAサイクル」の説明パネル。
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 これからの時代、人々が手にする時間はますます長くなり、その使い方が問われてくる。その中で、学ぶことがその答えとなり、新たな夢や挑戦を生み出すかもしれない。

「人生を充実して過ごすには、学ぶこと、習うことは必然なのではないかと思います。最終的には個性や創造性が問われていきますが、基本が身に付けば、自分で興味を持って工夫できるようになるでしょう」

 理論と実践を踏まえた新しい時代のビジネスへ、そして人々の豊かな生活へ。新しいことを始めるのに年齢は関係ないのだろう。佐々木氏のチャレンジは、人生100年時代における学びのモデルケースになっていくかもしれない。