キャリアへの関心が高くなっているとはいえ、まだ就活には早い大学1、2年生を対象にしたプランの募集では、どの程度集まるのか。どれほどの学生がマーケティングの現場を体験したいという情熱を持っているのか。

 正直、疑問のまま、ウエブ上でのエントリーシート提出という1次選考を勝ち抜いた学生が集結するイベント会場に足を運んだ。

 2018年の12月半ば、1次審査を勝ち抜いた16チーム50人ほどの大学生が都内の大会議室に集結していた。

 大学生といってもその大半が10代の幼さが漂う1、2年生だ。女子の姿も意外に多い。見たところ3割以上を占めている。

 ほとんどがトレーナーやカラーシャツにスニーカーといった軽装だが、中にはスーツにワイシャツの男子学生もいれば、スーツ姿の女性3人チームの姿も見える。聞けば地方から新幹線を利用して駆けつけたグループも少なくないという。

 この日は本選考の課題発表とともに、P&Gジャパンの現役マーケッターによる「学生向け戦略的思考セミナー」が行われるというが、それほどに学生にとって今回のイベントは重要だということなのだろう。

 P&Gジャパンでは正式な応募総数は公表していないが、「想定をはるかに超える応募があった」とこの日、壇上に立ったブランドマネージャーが語っている。

 たしかに世界トップ企業で活躍する現役のマーケッターから最先端のマーケティングを直接、学べることは貴重なことに違いない。しかしまさか1、2年の段階から企業から学ぼうという学生が多いということに驚いてしまう。

 しかも軽いノリで参加したわけではないことが、会場にいる学生たちを見ていてわかる。

 マーケッターからの説明を一言一句聞き漏らさないようパソコンを開いてメモしている学生やメモ帳にペンを走らせている学生たちの表情は引き締まっていて真剣そのものだ。

 かつて日本の大学がレジャーランドと呼ばれていた時代もあったが、ここに集まっている学生の姿を見る限り、かつてのお気楽な学生とはかけ離れている。