1つは、参加対象者を主に大学1、2年生にしていること。そして2つ目は、最も優秀なプランを提案したグループには、300万円の資金を提供し、P&Gジャパンのサポートのもと、そのプランを実行してもらうということだ。

 そのため同社では参加資格に、3~5人のグループで参加することと、2019年の4月から6月の期間中に大学に在籍しながらマーケティングプランの実行が可能な人、という2つの条件を設けている。

 大学生を対象としたビジネスコンテストは多いが、入学して間もない1、2年生を対象に絞るのは珍しい。

 しかも主催者が資金を提供し、そのプランを実行するところまでを盛り込んだコンテストを大手企業が実施するのは極めて異例のことだ。

 P&Gジャパンでは「マーケッターズ・ハイ2019」について「グローバルで活躍できるP&G流人材育成プログラム」と打ち出しており、採用に直結するものではなく、あくまでもグローバル人材を育てる教育プログラムの一環としている。

 だが最先端のブランド戦略で世界市場を勝ち抜いてきた同社が、その社名のもとにプランを実行する以上、すべてにおいて一定のクオリティが求められる。

 そのための総合的なサポートが必要になり、貴重な人員を割くことにもなるだろう。もちろん学生が会社に入って運営するとなれば、何かとリスクも想定されるはずだ。

 そう考えると、同社にとってこのイベントは単なる話題作りなどではなく、並々ならぬ覚悟で開催に踏み切ったことがうかがえる。

 その目的がグローバル人材の「採用」ではなく、「育成」にあるとしているところに違和感を覚えざるを得ないのだ。

 一方、学生側の反応はどうか。