対中で腰折れの日本政府

 国民にとっては意気軒昂で敵なしの様相を見せていた小泉首相も、温家宝氏の口撃に対してはたじたじの様相。

 問題は、政府(官房副長官や外務省)がことの真相をほとんど国民に知らせず、穏便であったように画策していたことだ。こうした姑息が、多くの場合、日本の外交を誤まらせてきたのではないだろうか。

 日本が予想した以上に厳しい内容であったが、政府はそのことを一切国民に知らせず、官房副長官が報道陣に行ったブリーフィングでは「険悪な会談」を想像させる中身は一切なかったというものであった。

 2004年10月に南米チリで開かれたAPECで、小泉首相は胡錦濤主席(当時)と首脳会談を行い、「靖国神社参拝中止」を迫られていた。

 その10日後の会談で中国からの要請でもあり、再び靖国問題を持ち出すことはないだろうと勝手に外務省は考えて受け入れた。

 実際は、「早く(ODAを)卒業してほしい」と首相が直前に発言したことで、中国側が硬化していることを外務省は全く掴んでおらず、読みが甘かったのだ。

 外務省が事前に中国の態度を掴んでいれば、会談を断り、〝主導権を握る″こともできたとされる。

 民主党政権になると、日本政府の対中態度は卑屈としか言いようのない姿勢になる。

 「日本列島は日本人だけのものではない」という鳩山由紀夫首相の言葉に勇気を得たのか、中国資本による日本国内の土地・山林の買収が激しくなっていく。

 次の菅直人政権になると、中国人優遇策としてビザの緩和を次から次に行っていく。

 また横浜でのAPECでは、菅氏は会議を主催する立場から、何としても中国首脳との会談を行いたがっていた。そこで何度も中国側に打診するが、中国側からはうんともすんとも言ってこない。

 菅首相がどんな思いであったかは言葉では聞こえてこなかったが、実現した時の報道写真から読み取ることができた。