このように、現在の国際情勢は中露による「新しい世界秩序」の構築という視点でとらえなければ理解できない。

中国首脳の恫喝発言

 日中関係も中国が意図する新世界秩序構築の一環とみてよいであろう。

 領土問題や首相(や天皇)の靖国神社参拝問題、さらには南京事件・慰安婦問題などの歴史戦は、世界最強の軍隊を目指す中国が日本を屈伏させようとする一断面でしかない。

 我々一般国民は、マスコミが報道する首脳会談の状況しか知る由もない。しかし、「週刊新潮」(2004年12月16日号)が伝えた小泉首相と温家宝中国首相(共に当時)による首脳会談の模様は、穏便ではなかった。

 「特集 官邸が隠す『日中首脳会談』全記録」と銘うち、大見出しは「ODAでも靖国でも小泉首相は『恫喝』されていた!」となっている。

 内容を知れば知るほど、中国側の牽強付会の言いがかりと恫喝が浮かび上がってくる。

 「日中関係を困難にしているのは、・・・日本の指導者の靖国参拝です」

 「(中国との関係を強調した首相に対し)靖国参拝の理由について説明されたが理解できません。あの戦争で中国人が何人死んだか知っていますか。死傷者は数千万人に上っているのです」

 蒋介石の中華民国は自国民を盾に日本と戦い、また国共内戦では国民を巻き込んで毛沢東の共産党軍と戦ってきた。日本軍に追撃されると黄河を決壊させ住民100万人を死亡させ、日本軍は追撃を止め10万人を救出する。

 終戦時の日中戦争による死傷者は320万人としていた国民党(蒋介石)政府であるが、共産党政権になって以降は拡大の一途をたどり、江沢民元国家主席は3500万人が死傷したと述べた。

 中国は戦闘で必ず一般市民を巻き込み、兵士の10倍以上の民間人が死に、またそれ以上に家を消失し、破壊される家族が出るのが通常である。

 そうした事例は山ほどあるが、日本の美意識であろうか、首脳会談などでそれらを指摘して反論したりすることはない。