日本共産党が「参議院選挙・統一地方選挙躍進 党勢拡大特別月間」に取り組んでいる。最大の収入源である「しんぶん赤旗」の連続的な減紙、党員数の激減が続いているからだ。この運動の成功のために、「激動の時代に歴史をつくる生き方を──あなたの入党を心からよびかけます」という長文の「入党のよびかけ」も作成されている。
だが以前にも書いたが、この「特別月間」が成功することはあり得ない(参考「率直に表明された共産党・党勢拡大運動の悲惨な現状」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53349)。なぜ党員が減り続けているのか、その原因究明がまったくなされていないからだ。原因を究明せずして、どんな運動に取り組んだところで成功するわけがない。
「入党のよびかけ」も、そもそもこんな長文の文書を読む人がいるとは到底思えない代物だ。中身は、自画自賛ばかりのうんざりした内容だ。ソ連などの崩壊も、相変わらず「あれは社会主義ではなかった」という無責任な弁明だけである。こんな弁明が世間に通用すると思っているとするなら、傲慢の極みである。
ソ連を理想の社会主義国だと信じ、革命は近いと信じて、どれほど多くの若者が革命運動に身を投じたのか。そんなことはまるでなかったかのように、共産党の重鎮である不破哲三氏などは、社会主義革命は21世紀から22世紀にかけての課題だなどと気楽に語っている。命がけで共産党に入党し、革命運動に身を投じた人をなんだと思っているのか。
党内では、こんな幼稚な言い逃れが、理論家不破哲三のありがたい分析としてまかり通っている。これに批判の声すら上がらない。この体質こそが共産党ということなのだろうが、こんな党に若者が夢を抱いて入党するわけがない。まず、共産党のこうした体質転換こそ急ぐべき課題だろう。
共産党の指導者は選挙で選ばれない
まったくといっていいほど国民の関心を集めていないが、現在、国民民主党の代表選挙が行われている。9月4日投票ということだ。9月7日からは、自民党の総裁選挙が始まる。このように普通は政党のトップは選挙で選ばれる。だが日本共産党だけは違う。代表選挙というものがそもそもない。