日本共産党の党勢拡大「大運動」はなぜ失敗を繰り返してきたのか?

 日本共産党が、6月11日、「第4回中央委員会総会」を開いた。共産党では、これを略して「4中総(よんちゅうそう)」と呼んでいる。200人を超える中央委員、准中央委員が招集される会議である。

 志位和夫委員長によると、この会議は緊急に招集したそうである。会議の主題は、「いかにして党勢拡大を前進させるか」の一点に絞ったものであった。この会議で志位氏は、「6月11日から9月30日までを『参議院選挙・統一地方選挙躍進 党勢拡大特別月間』とし、党員と『しんぶん赤旗』日刊紙・日曜版読者で『前回参院選時を回復・突破』することを目標に、『党のあらゆる力を党勢拡大に集中的にそそぐ特別の活動にとりくむ』ことであります」と語り、党勢拡大運動への檄を飛ばしている。

 多くのベテラン党員や地方議員の嘆きが聞こえてくるようだ。共産党のことを少しは分かる党員なら、「またかよ! 成功するわけがないだろう」と思っていることが容易に推察できる。

 この会議で志位氏は、実に率直に党勢拡大運動の歴史について語っている。「しんぶん赤旗」日刊紙を読まない党員も少なくない現状なので、党員なら誰でも知っているというわけではない。だが、少なくともベテラン党員や地方議員ならみんな知っていることだ。それを委員長が改めて、そして率直に述べたというのは、珍しいことである。

 志位氏は次のように発言した。

「1958年の第7回党大会以来、わが党は、党勢拡大に力を集中する『月間』や『大運動』に繰り返し取り組んできましたが、率直に言って、自ら決めた目標を達成したのは1970年代中頃までの運動であり、その後の『月間』や『大運動』では、奮闘はするが目標を達成できないという状況が続いてきました」