内閣不信任決議案の趣旨弁明をする立憲民主党の枝野幸男代表(2018年7月20日撮影、写真:Natsuki Sakai/アフロ)

カジノなど日本に必要ない

 第196回通常国会が7月22日に閉会した。法案では働き方改革法やカジノ法が焦点となったが、森友学園、加計学園の“モリカケ問題”が印象に残った国会だった。野党が対決法案と位置付けた働き方改革法もカジノ法も、自民党など与党によって結局は成立させられた。

 日本に本当にカジノが必要なのか。賛成派は、訪日観光客が増えて、経済効果が大きいとか、雇用の場が増えるなどと主張している。

 しかし、今でも外国人観光客は多すぎるぐらいだ。昨年(2017年)1年間だけでも、2800万人以上が日本を訪れた。十分ではないか。これ以上、増やす必要があるのか。また訪日する外国人観光客がカジノに魅力を感じるかどうかも、何も証明はされていない。経済効果についても、まったく分析はなされていない。

 なぜこれほど多くの外国人観光客が訪日することになったのか。多くは日本の自然環境や食文化、日本庭園など伝統的な工作物や工芸品、治安の良さ等々があるのだろう。近隣のアジア諸国の経済発展も大きな影響があることは間違いない。カジノなどという“博打場”を作ることが日本の魅力を上げるとは到底思えない。

 そもそも日本は、ギャンブル大国である。公営競技として、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレースがある。宝くじ、スポーツ振興くじ(toto)もある。さらにパチンコ、パチスロである。パチンコ、パチスロは、遊技とされているが、深刻な依存症が問題になっているようにギャンブルそのものである。

「オーストラリアのカジノ業界団体の国際調査では、据え置き型ギャンブル機の設置台数は日本のパチンコ・パチスロが457万台で、2位の米国に約5倍の差をつけ圧倒的にトップだった」(7月29日付産経新聞)という。産経の同記事によれば、今でもギャンブル依存症の疑いをもたれている人は、320万人にも及ぶという。この上にさらに依存症を増やすことが必至のカジノを作ろうというのだ。