陸上自衛隊の地対艦ミサイル(対艦誘導弾)システム「12式地対艦誘導弾」(資料写真、出所:Wikipedia

 6月27日からホノルル周辺海域を中心に開催されている多国籍海軍合同演習「RIMPAC(リムパック)-2018」で、RIMPAC史上初めて陸軍部隊による洋上の軍艦を攻撃する演習(SINKEX)が実施された。この演習こそ、前々回の本コラムで紹介した、中国海軍の目の前で実施したかった自衛隊によるパフォーマンスであった。

(参考)「リムパック不参加の中国海軍に見せたかったもの」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53537

RIMPACで初めて実施された地対艦ミサイル演習

 7月14日に実施されたSINKEXは日本、米国、オーストラリアの3カ国による合同演習である。内容は、オアフ島の隣にあるカウアイ島内に陣取った陸上自衛隊ミサイル部隊ならびにアメリカ陸軍ミサイル部隊が、オーストラリア空軍のP-8ポセイドン哨戒機の上空からの誘導により、カウアイ島北55海里沖洋上に浮かぶアメリカ海軍退役軍艦「Rachine」を、それぞれ地対艦ミサイルを発射して撃沈するというものだ。

 ちなみに陸上自衛隊はメイドインジャパンの12式地対艦ミサイルシステムを使用し、アメリカ陸軍はノルウェー製の対艦ミサイルを米陸軍のミサイル発射車両から発射した。

 長い歴史を誇るRIMPACで、今回初めて地上軍(陸上自衛隊、米陸軍)が地対艦ミサイルを用いて洋上の軍艦を攻撃する訓練が実施された。

SINKEXで陸上自衛隊が12式地対艦ミサイルを発射した瞬間(写真:米海軍)
拡大画像表示
SINKEXで米陸軍がノルウェイ製地対艦ミサイルNSMを発射した瞬間(写真:国防総省)