もちろん、それなりに大きな買い物をする場合は相談したりもしますが、決裁を受けるという感じではありません。事前承認なしで経費が使えると、悪い奴が出てこないのかという不安もあるかもしれませんが、オープンな場所で全員が相互に見える中で悪いことはしませんよね。今では、会社のクレジットカードさえも共有して使えるようにしていますが、なにも問題は起きていません。

上意下達を不要にする情報発信の仕組み

 オープンにしたのは経費の情報だけではありません。社内にある情報はほぼすべてオープンにしています。働き方の見直しをするにあたって、どこからでも働けるようにするには、場所による情報格差をなくすべきだと考えたからです。

 そもそも、社内における情報格差はなんのためにあるのでしょうか。ITツールがなかった時代であれば、経営トップの考えを社員全員が共有するために、ヒエラルキーの上位から順に情報を伝えていたのはわかります。その頃は、情報格差が管理職の特権だったのでしょう。

 しかし、今はもう伝言ゲームは必要ありません。ITツールを活用すれば全員がフェアに情報を受け取ることができます。そして会社から社員への情報発信だけでなく、ブログなどを使って社員から情報発信できる仕組みさえあります。

 私たちの会社でやっている取り組みの一つが音声配信です。

 社員が増えてくるにしたがって、一人ひとりに経営者の考えや理念、会社内の情報などを伝える機会が減ってきます。日本古来のベストプラクティスである朝礼などが解決策の一つですが、在宅勤務が多いとそうもいきません。