リストラされる社員は意外に「まじめ」で「一生懸命」な人が多い?(写真はイメージ)

 私はこれまで24年以上にわたり、PwC、マーサージャパン、アクセンチュアなど外資系大手のコンサルティング会社で人事改革に携わってきました。一貫して行ったのは、「人の目利き」です。外資系や日系の大企業から中堅企業、60社以上で計5万人のリストラと6000名のリーダーの選抜と育成をしてきました。

「リストラされる人」と「選抜される人」の違いは何か? 今回から2回にわたり、誰でもすぐ実行できる「選抜される人」になるための具体的なノウハウを紹介したいと思います。

(*)リストラされる人と選抜される人の違いについてさらに詳しく知りたい方は、拙著『ラクして速いが一番すごい』(ダイヤモンド社)をお読みください。

「ゴールから逆算」に潜む罠

「ラクして速い」が一番すごい』(松本利明著、ダイヤモンド社)

 リストラされる人と選ばれる人の一番の違いは、「力の入れ所」だけでなく「力の抜き所」を知っているかどうかです。「力を抜く」とは「手を抜く」ことではありません。集中すべきものと、捨てるべきものを正しく取捨選択することで、ムダな仕事を減らすことです。

 ゴールから逆算して計画をする人は多いものです。ビジネスの教科書にもそう書いてあります。ただし、これは半分正解で半分間違いです。皆さんもゴールから逆算して計画を作ったものの計画通りにいかなかったことがあるはずです。細かくタスクや作業に落とし込み、ガントチャートで管理したところで、遅れるものは遅れるのです。当然、上司や先輩、取引先、後輩など自分の守備範囲外でイレギュラーが発生することもあるでしょう。