会議は「Next Step」をつくるためのもの

 外資系では、会議とは「未来のアクションを決めるための時間」(『「コミュニケーション」の基本』より)だと認識されている。つまり、会議によって「次」への流れができなければならない。日本の会議で見られる常套句「検討します」のように、結論があいまいで次にどうするのかがうやむやなまま終わるようなことはない。キーワードは「Next Step」だ。伊藤氏が見てきた外資系企業の会議には、次のような特徴があった。

1. アジェンダを事前共有する

 会議が開かれる数日前までに、メールなどでアジェンダ(議題)が出席者に共有されていることが基本。会議の所要時間はだいたい30分から1時間。プレゼンについても、順番と1人10分などと持ち時間が最初からアジェンダで決められている。

2. 会議の冒頭で、会議の目的や流れ、参加者に求めることを伝える

 会議の本題に入る前に、その会議のゴール、つまり、こういう結論に持っていきたいということに加え、各人に求めることが、言葉で明確に伝えられる。

 例えば「今日はブレインストームだけをしたいので、皆さんの活発な意見がほしいです」とか「〇×が達成できそうにないので、達成するためにどうすればいいか、アイデアを出してください」というようなこともある。参加者は、自分のすべきこと、議論の落としどころの見通しなどが明確になった上で会議に臨むことができる。

3. 終了時に、会議での合意事項、次のアクションアイテム、誰がいつまでに何をするかを確認する

 この日の会議における結果を受け、次のアクションプランは何か、誰がいつまでにどうするのかということまで決めたうえで、全員でその内容を確認し、お開きとなる。「Next Step」が言葉で明確に示されていることがカギだ。

 外資系の企業では、「意味のない会議に時間を費やすことほど、無駄なことはない」「結論を出さない会議ほど、非効率なものはない」と、強く認識されている。そして、無駄なものだとわかれば、なくしたり変えたりすることもいとわない。