フリーランスにまつわる課題や解決策

――自由という魅力がある一方、フリーランスの方々が抱える悩みにはどのようなものがあるのでしょうか。

小幡 営業をかけたり、契約を巻いたり、さらに請求書を出したりと、全部自分でやることになるので、その辺りの“目に見えないコスト”がかかると思っています。あと、社会保険や福利厚生は、ご自身でカバーしてもらうしかないというところです。

 ただ、我々の場合はエージェントとして、前者についてはその辺りのすべての事務代行をしていますので、本業に開発にきちんと向き合うことができる環境を整えています。後者についても、稼働している人の生活の質(QOL)を上げていくお手伝いをしています。

――登録するエンジニアを見ていて、以前との違いや変化は感じられますか。

小幡 以前はプライドや意思を持ってフリーランスを選ぶ方が多かったのですが、最近では、フリーランスという働き方が一般的になってきたせいか、自由に伴う「厳しさ」を十分に理解する前に独立される方も多くなってきました。自由度や報酬など良い面だけを見てフリーランスになりたいという方が増えてきています。

 しかしその反面、フリーランスには責任が強く求められるところがあります。ですので、そこに対してきちんとコミットできるかどうかを、我々も登録面談のときに見ています。軽い気持ちでフリーランスという働き方を選択していないか、というところですね。

――受け入れる企業側の状況はどうでしょうか。

小幡 企業側のフリーランスの活用の仕方も昔から変わってきています。2008~2009年頃は単なる労働力と思われていて、たとえば、正社員が採用できないから、次の手段として、フリーランス人材を活用して不足を補うような、積極的でない姿勢が正直なところありました。

 ですが、長年フリーランスと関わってきた企業や、スタートアップの企業は、むしろ戦略的に活用しようとしています。たとえば「こういう技術で、こういうサービスを出していきたいが、社内ではそれに対応できる人材がいない、もしくは不足しているから、この部分をフリーランスにぜひお願いしたい」とか。さらに、開発だけでなくて、自社の社員の教育やチーム作りを任せたいという依頼も増えてきました。

――企業側のスタンスも変わってきているのですね。