──その体験から、子供のスマホ依存や使い過ぎの問題を解決しようと考えたわけですね。

大津 子供のスマホ依存は社会問題になっています。実際に小学生、中学生、高校生の子供を持つ親御さんにアンケートを取ってみたら、本当にみなさん頭を悩ませていました。使用制限をかけて強制的に使えなくするようなシステムがあったらぜひ欲しいという方がたくさんいらっしゃって、開発に着手しました。

増加している「ながら運転」事故

──「ながら運転」撲滅ソリューションを開発したきっかけは?

大津 システム自体は「OTOMOS」を開発した段階ですでにできていました。具体的にソリューションとして提供することになったのは、OTOMOSの存在を知った東京海上日動火災保険の方が当社にコンタクトしてくれたのがきっかけです。その方は、運送会社のドライバーが事故を起こす3つの大きな要因を教えてくれました。まず居眠り運転、次に乱暴な運転や不注意による運転ミス、3つ目が運転中にスマホを使うことによる事故だそうです。

 近年、交通事故の件数は減ってきているのに、スマートフォンを操作しながらの事故は増加傾向にあります。警視庁によると、2011年から2016年にかけて、スマホなどを使用している最中の事故件数は1.6倍に増えています。

 損保会社は安全運転講習などを実施して「ながら運転」の危険性を訴えているそうです。けれどもそれだけでは十分ではなく、車内でスマホを使えないようにする仕組みが作れないかという相談を受け、当社のシステムを利用することになりました。

 2018年1月には東京海上、飲料系の物流会社と共同で実証実験を行う予定です。実はすでに引き合いもあって、大手飲料メーカーと運送会社の2社から計4000セットの納品依頼が来ています。