このソリューションは、2016年に同社が開発した「OTOMOS」(オトモス)というシステムの技術がベースになっている。OTOMOSとはやはりスマホの専用カバーとアプリから成るシステムで、子どものスマホを使う時間帯や使用時間を制限したり「歩きスマホ」を防ぐために開発された。
「OTOMOS」と「『ながら運転』撲滅ソリューション」はどのような経緯で誕生したのか。Momoの大津真人社長に、同社が目指す“技術と社会の関係”のあり方について話を聞いた。
自分自身がスマホ中毒だった
──なぜOTOMOSを開発したのですか。開発の経緯を教えてください。
大津真人社長(以下、敬称略) 以前、ソフトウエア開発会社で大手建設会社向けの「MDM」(Mobile Device Management、端末管理システム)の保守開発を担当していた時期があります。MDMとは端末の内部ファイルを書き換えて初期化したりロックをかけたりするシステムです。重要なシステムなんですが、通信会社のサーバーからの信号を受けないと内部ファイルを書き換えることができません。だから精密なコントロールがなかなかできないんです。サーバーを介したりファイルを書き換えたりせずに端末をコントロールできれば便利なのにな、と思ったのがきっかけの1つです。
もう1つの大きな理由は、僕自身がめちゃくちゃスマホを使っちゃうんです。ミクシィ、フェイスブック、ツイッターなどにどっぷりはまり、1日中スマホをいじっている時期がありました。それこそ睡眠不足になるくらいスマホを使ってしまって、我ながら、これは使い過ぎだ、もう少し自分の時間を生産的に使えないかなと思っていました。
Momo代表取締役社長。東京外国語大学卒業、東京大学大学院博士前期課程中退。大学院の心理実験と統計を通してプログラミングと出会う。その後、ソフトウエアエンジニアとして大手家電メーカーのソフトウエア開発などに従事。2016年に神戸でMomoを創業。ピアノ奏者、バンドマンとしての顔も持つ