「いちばん大きなマイナスをゼロにしたい」

──子供のスマホ依存も「ながら運転」も大きな社会問題です。技術で社会問題を解決しようということですね。

大津 当社は4つのモットーを掲げています。「わくわくするような新しいことをする」「いちばん大きなマイナスをゼロにする」「『レイトマジョリティ』のために仕事をする」「人の尊厳に関わることをする」の4つです。

「いちばん大きなマイナスをゼロにする」というのは、世の中で問題になっていること、みんなが困っていることを根っこから解決したいということです。

 僕たちは、「普通に暮らせている人に、より楽しくなってもらう」ということにはあまり興味がないんです。例えばVRで新しいエンターテインメントを作るとか、知らない人同士が出会えるシステムをつくるとか、そういうことには関心がありません。「レイトマジョリティ」、つまり世の中の新しいトレンドやテクノロジーには詳しくない、現場で汗水垂らして働いているおじさんやおばさんの「困ってんねん」を解決したい。

 当社はIoTシステムを開発していますが、利便性や効率を追求することにもあまり興味がありません。そういうことを得意とする会社は、他にいっぱいありますよね。「人間としてあるべき姿が損なわれている。それは、おかしいやん」というところにフォーカスしたい。それが僕たちの個性であり、存在意義だと考えています。